# Architecture `dataxl` は、ファイル形式ごとの差を小さくするために、内部表現を2つに分けています。 - structured value: JSON/YAML/TOMLから読める `map[string]any`, `[]any`, scalar - table: Excel/CSV/TSVに近い `Header []string` と `Rows [][]string` 変換は原則として次のどれかです。 - structured -> structured - structured -> table - table -> structured - table -> table ## Source Layout 実装は `cmd/dataxl` package内で責務別に分割しています。 - `main.go`: CLI option、stdin/stdout、ファイル入出力 - `conversion.go`: 変換経路の選択、形式名の正規化・推定 - `structured.go`: JSON/YAML/TOML adapter - `table.go`: CSV/TSV/XLSX adapter、table model、flatten - `path.go`: セル値の型推定、列パスのparse、unflatten `convert` はファイル入出力から独立しているため、CLIを経由せず変換matrixをテストできます。 形式固有処理は `parseStructured` / `encodeStructured` または `parseTable` / `encodeTable` に閉じ込めます。 現状は単一commandだけが利用するため同じpackageに置いています。別commandやlibrary APIから 再利用する段階になったら、安定させたい境界を見極めたうえで `internal` packageへ移します。 ## Table Model 表形式は必ず1行目をヘッダーとして扱います。 ```go type table struct { Header []string Rows [][]string } ``` CSV/TSV/XLSXの読み込みでは、短い行を空文字で埋めて列数を揃えます。ヘッダーより 長い行は、名前のない値を破棄しないようエラーにします。 XLSXの書き出しではヘッダーを太字にし、1行目を固定します。 ## Flattening structured -> table では、入れ子のmap/arrayを列パスへ展開します。 - map: `user.name` - array: `items[0].sku` - delimiterを含むmap key: `settings["build.target"]` - top-level scalar: `value` 列順は安定性を優先してソートしています。Excel上で列の位置が変わっても、 ヘッダー名を見て復元するため、列順には依存しません。 ## Unflattening table -> structured では、ヘッダーのパス表現からmap/arrayを復元します。 例: ```text items[0].sku ``` は次の構造になります。 ```json { "items": [ { "sku": "..." } ] } ``` セル値は `parseCell` で軽く型推定します。 - 空文字: `""` - `true` / `false`: boolean - 整数: int64 - 小数または指数表記: float64 - その他: string ゼロ埋め整数と前後に空白があるセルは、IDや文字列を壊さないためstringとして 保持します。複数列が同じパスで異なる中間型を要求する場合はエラーにし、入力列を 黙って捨てません。 ### Path grammar 現在の列パスは次の要素を扱います。 ```text path = first-key, { map-child | quoted-key | array-index }; first-key = bare-key | quoted-key; map-child = ".", bare-key; quoted-key = "[", JSON-string, "]"; array-index = "[", digit, { digit }, "]"; ``` 実例は `user.name`、`items[0].sku`、`orders[0].items[1].qty` です。map keyに `.`、`[`、`]` が含まれる場合や空文字の場合は、`["build.target"]` や `[""]` の ようなJSON quoted keyを使います。連続したarray indexも扱うため、 `matrix[0][1]` を復元できます。入力サイズに対して過大なmemory allocationを 起こさないよう、pathは最大256要素、array indexは最大10000です。 ## Structured input integrity - JSON inputはUTF-8として検証します。decoderは最初の値の後まで読み、空白以外の 後続データを拒否します。object keyもtoken単位で読み、重複を拒否します。 - YAML decoderはstream終端まで読み、複数文書を順序付きsliceとして保持します。 - `rows`、`records`、`items` wrapperはオブジェクト唯一のキーである場合だけ table rowsとして展開します。 - recordが存在するのにscalar fieldが1つもないstructured valueは、表へ変換すると record数を失うため拒否します。空のrecord listは空の表として扱います。 ## TOML Output TOMLはトップレベル配列を直接表せないため、表からTOMLへ出力する場合など、 トップレベルがmapでない値は `rows` キーに包んで出力します。 ## Dependencies - `github.com/xuri/excelize/v2`: XLSX読み書き - `gopkg.in/yaml.v3`: YAML読み書き - `github.com/BurntSushi/toml`: TOML読み書き Go 1.25以上を前提にしています。 ## Error handling - 未対応形式、decode失敗、workbook/sheet操作失敗は呼び出し元へerrorを返します。 - CSV/TSVのinvalid UTF-8、headerより長い行、値を持つ空header列を拒否します。 - path復元中の重複header、構文エラー、型競合は変換全体をerrorにします。 - XLSXのstyle・pane設定も通常の変換errorとして扱い、不完全なworkbookを成功扱いしません。